text:sesuisho:n_sesuisho8-125
醒睡笑 巻8 秀句
11 京にてさかしき座頭月忌の座敷へ遅く来たり・・・
校訂本文
京にて、さかしき座頭、月忌(ぐわつき)の座敷へ遅く来たり。「内をはとく出でて候ふが、路にて鐘の音つかまつり候ふまま、立ち寄りて候へば、酒盛り談義にあうて、さてぞ遅参いたし候ふ」と言へり。「酒盛り談義とは何事ぞや」。「されば、もはや立たんと羽づくろひせしに、『ここをば法然の酌1)にて一つ申さん』とあり。また立たんとすれば、『善導の酌にてま一つ申さん』と」。
翻刻
一 京にてさかしき座頭月忌の座敷へ遅く/n8-47l
来り内をはとく出て候が路にて鐘のをと仕候儘 立よりて候へは酒もり談義にあふてさてそち 参いたし候といへり酒もり談義とは何事そや されはもはやたたんとはねつくろひせしに 爰をは法然の尺にて一つ申さんとあり又た たんとすれは善導の尺にてま一つ申さんと/n8-48r
1)
底本表記「尺」。以下同じ。
text/sesuisho/n_sesuisho8-125.txt · 最終更新: 2022/12/27 12:39 by Satoshi Nakagawa