text:sesuisho:n_sesuisho8-046
醒睡笑 巻8 頓作
46 京に智玄といふなま物知りなる者あり・・・
校訂本文
京に、智玄といふなま物知りなる者あり。また恵林といふ学者と、東寺の門前にて行き合ひ「智玄はいづく」と問ふに、持ちたる扇を開け「ここへ行く」と答へたる時、「それはあて字なり」と言へるに、言なし。
扇を開けたるは、一字を切り「戸羽へ1)」といふことなりし。早く察して、「あて字なり」と打ちたる非太刀(ひだち)、奇妙。
翻刻
一 京に智玄といふなま物しりなる者あり又恵 林といふ学者と東寺の門前にて行合智玄 はいつくととふに持たる扇をあけ爰へ行と 答へたる時それはあて字也といへるに言なし/n8-20r
扇をあけたるは一字をきり戸羽へといふ 事なりし早察してあて字なりと打たる ひたち奇妙/n8-20l
1)
戸+羽で扇。鳥羽の当て字。
text/sesuisho/n_sesuisho8-046.txt · 最終更新: 2022/10/28 21:58 by Satoshi Nakagawa