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text:sesuisho:n_sesuisho8-034

醒睡笑 巻8 頓作

34 秀句好きなる者堺に逗留せしが・・・

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秀句好きなる者、堺に逗留せしが、聚楽(じゆらく)1)にのぼる大名衆、なぶりて、「何事ぞ、珍しきことはなきか」。「こそ候ひつれ。このごと境の大道にて物を売るに2)拍子にかかりはやされ歩きたる者候ふ」。「嘘であらう」。「いや、先へ『せりかう3)』と節に歌へば、あとから、『たんぽぽたんぽぽ』と打つて候ふ」。

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一 しうくずきなる者境(さかい)に逗留(とうりう)せしが聚楽(しゆらく)
  にのほる大名衆なふりて何事そめつらしき
  事はなきかこそ候つれ此比境の大道にて物/n8-15r
  をうる木へうしにかかりはやされあるきたる
  者候うそてあらふいや先へせりかうとふし
  にうたへはあとからたんほほたんほほとうつて候/n8-15l
1)
聚楽第
2)
「に」は底本「木」。諸本により訂正。
3)
芹買はう
text/sesuisho/n_sesuisho8-034.txt · 最終更新: 2022/10/20 19:57 by Satoshi Nakagawa