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text:sesuisho:n_sesuisho6-022

醒睡笑 巻6 児の噂

22 山門北谷に児あり悪瘡のいたはりに根本中堂へ参籠す・・・

校訂本文

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山門1)北谷に児(ちご)あり。悪瘡(あくさう)のいたはりに根本中堂へ参籠す。七日満ずれども、あへてしるしなし。うち恨みて、下向に短冊を内陣へ投げ入れ参らせたり。

  南無薬師衆病悉除(しゆびやうしつぢよ)の願ならば身より仏の名こそをしけれ

すなはち内に御声ありて、

  村雨のふるとは見えではれにけりそのみのかさを2)そこに脱ぎ置け

本坊に帰れば、瘡みな跡なし。

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一 山門北谷に児あり悪瘡のいたはりに根/n6-12l
  本中堂へ参籠す七日満すれともあへてし
  るしなしうち恨て下向に短冊を内陣へな
  けいれまいらせたり
   南無薬師衆病悉除の願ならは
   身より仏の名こそをしけれ
  即内に御声ありて
   村雨のふるとは見えてはれにけり
   そのみのかさをそこにぬきをけ
  本坊にかへれは瘡みなあとなし/n6-13r
1)
比叡山延暦寺
2)
蓑笠・身の瘡
text/sesuisho/n_sesuisho6-022.txt · 最終更新: 2022/04/21 17:06 by Satoshi Nakagawa