text:sesuisho:n_sesuisho4-103
醒睡笑 巻4 唯あり
14 親鸞聖人の和讃にすなはち往生すと書き給へる詞あり・・・
校訂本文
親鸞聖人の和讃(わさん)1)に、「すなはち往生す」と書き給へる詞(ことば)あり。
しかるを、参詣の中に、まつたき姥(うば)のありて、同行の人に向かひ、「ただ今の一句を聴聞せられ候ふや。お砂(すな)もお鉢(はち)も御往生との上は、ましてわれらが往生をや」とて、感涙をぞ流しける。
無量寿経、「若人無善本、不得聞此経(もし人善本無くば、この経を聞くことを得ず)」といふ。世尊の金語にあへり。
翻刻
一 親鸞(しんらん)聖人の和讃(わさん)にすなはち往生すと 書給へる詞(ことは)ありしかるを参詣の中にまつ/n4-60l
たきむはのありて同行の人にむかひ唯今 の一句を聴聞(てうもん)せられ候やおすなもおはち も御往生とのうへはましてわれらかわう しやうをやとてかんるいをそなかしける 無量寿経若人無善本不得聞此経と云 世尊の金語にあへり/n4-61r
1)
浄土和讃
text/sesuisho/n_sesuisho4-103.txt · 最終更新: 2022/01/29 22:41 by Satoshi Nakagawa