ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho4-069

醒睡笑 巻4 そでない合点

27 老いても文を好む人あり・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

老いても文(ぶん)を好む人あり。机に寄りかかりゐられたれば、文盲なる者来たり見、「こなたさまの息災にあるこそ道理にて候へ。昔から、机に寄る人は養生の薬になり、命も長きものや」と、うらやむことかぎりなし。「そちはえならぬ時宜(じぎ)を言ふ。何のいはれぞ」。「いや、『命(めい)はしよくにあり1)』」と。

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 老ても文(ふん)を好(この)む人あり机によりかかりゐ
  られたれは文盲(もんもう)なる者来り見こなたさま
  のそくさいにあるこそ道理(たうり)にて候へ昔から机
  による人は養生(やうしやう)の薬になり命(いのち)も長き物
  やとうらやむ事限なしそちはえならぬ時宜(しき)
  をいふなんのいはれぞいやめいはしよくにありと/n4-46r
1)
食にあり・卓にあり。「卓」を「しよく」と読むのは唐宋音。
text/sesuisho/n_sesuisho4-069.txt · 最終更新: 2022/01/08 22:24 by Satoshi Nakagawa