text:sesuisho:n_sesuisho4-057
醒睡笑 巻4 そでない合点
15 博打打が夜半過ぎに宿に帰り女房を起こし・・・
校訂本文
博打打(ばくちうち)が夜半過ぎに宿に帰り、女房を起こし、「一世の間にこれほど嬉しいことにあはぬ」と喜び、臥しまろび満足するまま、「さては、今宵ばかりはは博打(ばくち)に勝ちたるものよ」と思ひやり、「いかばかりの仕合(しあはせ)にやはんべる」と問ふ。返事に、「今宵も博打に負けごとは負けた。されども、この前五百目に買うて持ちたる脇差(わきざし)を二貫目にしかけてやりたるまま、一貫五百目の儲けをしたは」と。
ただ失墜(しつつゐ)さうな。1)
翻刻
一 ばくちうちが夜半過に宿にかへり女房を おこし一世のあひたにこれほとうれしい事/n4-41r
にあはぬとよろこびふしまろひまんそくする ままさてはこよひはかりはははくちにかちた る物よとおもひやりいかはかりの仕合にやはん へるととふ返事にこよひもはくちにまけ 事はまけたされとも此まへ五百目にかう てもちたる脇指(わきさし)を二貫めにしかけてやり たるまま一貫五百めのまうけをしたはと たたしつつゐさうな/n4-41l
1)
底本、この一文、数字下げで小書き。
text/sesuisho/n_sesuisho4-057.txt · 最終更新: 2022/01/06 17:58 by Satoshi Nakagawa