text:sesuisho:n_sesuisho3-009
醒睡笑 巻3 文字知り顔
9 宗祇東国修行の道に二間四面のきれいなる堂あり・・・
校訂本文
宗祇、東国修行の道に、二間四面のきれいなる堂あり。立ち寄り腰(こし)をかけられたれば、堂守の言ふ、「客僧は上方の人候や」。「なかなか」と。「さらば発句を一つせんずるに、付けてみ給へ」と、
新しく作りたてたる地蔵堂かな
物までもきらめきにけり
と付けられし。
「これは短いの」と申す時、祇公、「そちのいやごとにある『かな』を足されよ1)」とてありつる。
翻刻
一 宗祇東国修行の道に二間四面のきれい なる堂(だう)あり立寄腰(こし)をかけられたれは堂守(たうもり)の/n3-6l
いふ客僧(きやくぞう)は上方の人候や中々とさらば 発句(ほつく)を一つせんするに付てみたまへと 新く作りたてたる地蔵堂かな 物まてもきらめきにけり と付られしこれはみじかいのと申時祇公そち のいやことにあるかなをたされよとてありつる/n3-7r
1)
金物までも・・・
text/sesuisho/n_sesuisho3-009.txt · 最終更新: 2021/09/15 21:45 by Satoshi Nakagawa