text:sesuisho:n_sesuisho2-063
醒睡笑 巻2 躻(うつけ)
31 石州に板持といふ侍あり・・・
校訂本文
石州に板持(いたもち)といふ侍あり。かたのごとくなる大名なり。されどもうつけ比類なし。
ある時、西浄(せいじやう)に行き、「やれ蛇が食ひ付いたは」と高声(かうじやう)にわめかるる。人みなあはて行けば、木履(ぼくり)にて陰嚢を踏まへたり
御一雅も平等だらりと聞えて侍り1)。
翻刻
一 石州に板持といふ侍ありかたのことくなる大 名也されともうつけ比類なしある時西浄 に行やれへびがくひついたはと高声に わめかるる人みなあはてゆけは木履にて 陰嚢をふまへたり(御一雅も平等だらりと聞えて侍り)/n2-35l
1)
この一文は底本小書き。「雅」は不審。
text/sesuisho/n_sesuisho2-063.txt · 最終更新: 2021/08/15 18:10 by Satoshi Nakagawa