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醒睡笑 巻2 貴人の行跡
3 紹巴の方へ烏丸殿そのほか公家達の御入りありて・・・
校訂本文
紹巴1)の方へ、烏丸殿2)、そのほか公家達の御入りありて、樹木なと御覧あれば、桃・柿のもとに、人のなりをまね、弓と矢を持たせたる多し。烏丸殿、「あれは何の用心ぞや」。「されば、鳶(とび)の来てはなり物を荒すおどしなり」と申されたれば、烏丸殿、「鳶かや。その次のものの用心ではないか」と。
「時の興にあいらしや」と、人みな申せし。
翻刻
一 紹巴のかたへ烏丸殿其外公家達の御入あり て樹木なと御覧あれは桃柿のもとに人の なりをまね弓と矢をもたせたるおほし からす丸殿あれはなにの用心そやされは 鳶のきてはなり物をあらすおとしなりと 申されたれは烏丸殿鳶かや其次のものの 用心てはないかと時の興にあいらしやと 人みな申せし/n2-14l
text/sesuisho/n_sesuisho2-023.txt · 最終更新: 2021/06/29 16:28 by Satoshi Nakagawa