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text:sesuisho:n_sesuisho1-125

醒睡笑 巻1 鈍副子

28 筆者を頼み伊勢物語を写させけるに・・・

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筆者を頼み伊勢物語を写させけるに、「昔男」といふを仮名に「むし男」と書き、「か」の字を落したり。

主人見付け、「最初の三字の内をさへ落されたるや」と腹立(ふくりふ)する時、かの書き手いはく、「ひたもの書きゆかば、いかほども末にいや字1)の候はんを、足しにつかまつり候はん」と。

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翻刻

一 筆者(ひつしや)を頼(たの)み伊勢物語を写させけるに昔
  男と云をかなにむし男とかきかの字を落
  したり主人見付最初の三字の内をさへ/n1-59l
  おとされたるやと腹立する時彼かきて云ひた
  物書ゆかば如何程も末にいや字の候はん
  をたしに仕候はんと/n1-60r
1)
衍字
text/sesuisho/n_sesuisho1-125.txt · 最終更新: 2021/05/23 17:26 by Satoshi Nakagawa