28 藤原忠平

校訂本文

また妙達申さく、「太政大臣藤原忠平はいづれの所にか生まれ給へる。これは妙達が檀越(だにをち)なり」と申す。

忠平は、多く人の物を除目(ぢもく)に納め取りて、多くのふこしろみを¹⁾そこなへり。おのが心にまかせて罪を作れり。これによりて、頭(かしら)九つある竜となれり。

ヨリテ石ノ人ヤニ五百才フセルヘシ又妙達申サク太政大臣／n2-57l・e2-54l

藤原忠平ハ何所ニカ生給ヘル是ハ妙達カ檀越ナリト申忠平ハ
オホク人ノ物ヲ除目ニヲサメトリテオホクノふこしろみを(本マヽ)ソコナ
ヘリオノカ心ニマカセテ罪ヲツクレリコレニヨリテ頭九アル龍トナ
レリ／n2-58r・e2-55r

¹⁾

不明。底本「本ママ」と傍書。