text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka13-19
蒙求和歌
第13第19話(199) 阮籍青眼
校訂本文
阮籍青眼 晋代人。阮嗣字といへり
阮籍は竹林の七賢のその一つなり。厨(くりや)に美酒を多く置けり。
眼に青き白きの色を分かてり。凡俗の人には、白眼をして向ひ、異才の人には青眼をして向ひけり。
阮籍、父におくれて居たるに、楊州1)の刺史嵇喜といふ人来たれるに、白眼をして向ひけり。嵇喜、後(のち)に琴酒を具して、行きてとぶらふ時、青眼をしてあひ向ひけり。
白雲(しらくも)の晴れゆく色は苔むしろあをねが峰のこずゑなりけり
翻刻
阮籍青眼 晋代人阮嗣字トイヘリ/d2-37r
阮籍ハ竹林ノ七賢ノソノヒトツナリ厨ヤニ美酒ヲオホクヲ ケリ眼ニ青キ白キノ色ヲワカテリ凡俗ノ人ニハ白眼ヲシテムカヒ異 才ノ人ニハ青眼ヲシテムカヒケリ阮籍父ニヲクレテヰタルニ楊州 ノ刺史嵇(ケキ)喜(キ)ト云人キタレルニ白眼ヲシテムカヒケリ嵇喜ノ チニ琴酒ヲクシテユキテ訪ラフ時キ青眼ヲシテアヒムカヒケリ シラ雲ノハレユクイロハコケムシロアヲネカミネノコスヱナリケリ/d2-37l
1)
揚州
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka13-19.txt · 最終更新: 2018/03/11 14:27 by Satoshi Nakagawa