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text:jikkinsho:s_jikkinsho05-09

十訓抄 第五 朋友を撰ぶべき事

5の9 大和物語には昔大納言なりける人の御門に奉らんとて・・・

校訂本文

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『大和物語』1)には、

昔、大納言なりける人の、「御門に奉らん」とて、かしづきける女を、内舎人なるものの取りて、陸奥国(みちのくに)にいにけり。

安積の郡安積山に庵結びて住みけるほどに、男の外へ行きたりけるままに、立ち出でて、山の井に形を映して見るに、ありしにもあらずなりける影を恥ぢて、

  安積山影さへ見ゆる山の井のあさくは人を思ふものかは

と木に書き付けて、みづからはかなくなりにけり。

と記せり。

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翻刻

九大和物語ニハ昔大納言ナリケル人ノ、御門ニ奉ラント
  テカシツキケル女ヲ、内舎人ナルモノノトリテ、ミチ
  ノ国ニイニケリ、アサカノ郡アサカ山ニイホリ
  ムスヒテ住ケル程ニ男ノ外ヘ行タリケルママ/k15・99l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100231807/99?ln=ja

  ニ立出テ、山ノ井ニ形ヲウツシテ見ニ、アリシニ
  モ非スナリケルカケヲハチテ、
    アサカ山カケサヘミユル山ノ井ノ、アサクハ人ヲ
    思フモノカハ
  ト木ニカキツケテ、ミツカラハカナクナリニケリト
  シルセリ、/k16・100r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100231807/100?ln=ja

text/jikkinsho/s_jikkinsho05-09.txt · 最終更新: by Satoshi Nakagawa