text:ise:sag_ise095
第95段 昔二条の后につかうまつる男ありけり・・・
校訂本文
昔、二条の后1)につかうまつる男ありけり。女のつかうまつるを、常に見かはして、よばひわたりけり。「いかでものごしに対面して、おぼつかなく思ひつめたること、少しはるかさむ」と言ひければ、女、いと忍びて、ものごしに逢ひにけり。物語などして、男、
彦星に恋はまさりぬ天の川隔つる関をいまはやめてよ
このうたにめでて、逢ひにけり。
挿絵
翻刻
むかし二条のきさきにつかうまつる男/s106r
ありけり女のつかうまつるをつねに見 かはしてよはひわたりけりいかて物こし にたいめんしておほつかなくおもひ つめたることすこしはるかさむといひ けれは女いとしのひてものこしに あひにけりものかたりなとしておとこ ひこほしにこひはまさりぬあまの河 へたつるせきをいまはやめてよ このうたにめててあひにけり/s106l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/106?ln=ja
【絵】/s107r
1)
藤原高子
text/ise/sag_ise095.txt · 最終更新: 2024/02/12 12:04 by Satoshi Nakagawa