text:ise:sag_ise082b
第82段(2) 帰りて宮に入らせ給ひぬ夜更くるまで酒飲み物語して・・・
校訂本文
帰りて宮に入らせ給ひぬ。夜更くるまで酒飲み、物語して、あるじの親王(みこ)1)、酔(ゑ)ひて入り給ひなんとす。十一日の月も隠れなんとすれば、かの馬頭(むまのかみ)2)の詠める、
あかなくにまだきも月の隠るるか山の端(は)逃げて入れずもあらなん
親王に代はり奉りて、紀有常、
おしなべて峰も平(たいら)になりななむ山の端なくは月も入らじを
翻刻
かへりて宮にいらせたまひぬよふくる まてさけのみものかたりしてあるしの みこゑひていり給ひなんとす十一日の 月もかくれなんとすれはかのむまのかみ のよめる あかなくにまたきも月のかくるるか 山のはにけていれすもあらなん みこにかはりたてまつりてきのありつね をしなへてみねもたいらになりななむ/s94l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/94?ln=ja
やまのはなくは月もいらしを/s95r
text/ise/sag_ise082b.txt · 最終更新: 2024/02/01 23:17 by Satoshi Nakagawa