text:ichigonhodan:ndl_ichigon133
一言芳談抄 巻之下
133 又云はく仏法には徳を隠すことをばよきことにいひたれども・・・
校訂本文
又云はく1)、「仏法には徳を隠すことをば、よきことにいひたれども、ほかに愚(ぐ)を現ずれば、また懈怠(けだい)になる失(しつ)あり。たとへば、道場へは入らずして、寝所(ねどころ)にゐて、念仏せんとするほどに、しばらくこそあれ、眠(ねぶ)りならへる所なるがゆゑに、のちにはやがて寝入るがごとし。されば 、凡夫は、とにかくに、進まじとするを進めんために、助業(じよごふ)は大切なり」。
翻刻
又云仏法(ふつほう)には。徳(とく)をかくす事をば。よき事にいひたれ ども。ほかに愚(ぐ)を現(げん)ずれば。又懈怠(けだい)になる失(しつ)あ り。たとへば。道場(だうじやう)へはいらずして。寝所(ねところ)にゐて。念仏 せんとするほどに。しばらくこそあれ。ねふりならへる 所なるがゆへに。のちにはやがて。ねいるがことし。されば 凡夫(ぼんぶ)は。とにかくに。すすまじとするを。すすめんために 助業(ぢよごう)は大切(たいせつ)なり/ndl2-20r
1)
乗願上人(宗源)の言葉。132 乗願上人云はく善導を仰がん人は名号よりほかのことは行ずべきにあらず・・・参照。
text/ichigonhodan/ndl_ichigon133.txt · 最終更新: 2023/12/07 11:14 by Satoshi Nakagawa