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一言芳談抄 巻之上
1 有云はく恵心僧都伊勢太神宮へ参りて七ヶ日参籠果つる夜の夢に・・・
校訂本文
有(あるひと)云はく、「恵心僧都1)、伊勢太神宮2)へ参りて、七ヶ日参籠果つる夜の夢に、宝殿の御戸(みと)たちまちに開けて、ゆゆしげなる貴女(きによ)一人出で給へり。示して云はく、『太神宮は本覚(ほんがく)の都へ帰りおはします。これは御留守(おんるす)に侍る者 なり。末代の衆生、出離の要道を尋ぬることあらば、弥陀仏を念ぜよと勧むべきよし、仰せおかれ侍る』」。
翻刻
一言芳談抄巻之上 有云(ある人いはく)。恵心僧都(ゑしんそうつ)伊勢太神宮(いせだいじんくう)へまいりて七ヶ日参籠(さんろう) はつる夜(よ)の夢(ゆめ)に。宝殿(ほうでん)の御戸(みと)たちまちにひらけ て。ゆゆしけなる。貴女(きによ)一人いてたまへり。示云(しめしていはく)太神宮(たいじんくう)は 本覚(ほんがく)の都へかへりおはします。これは御留守(おんるす)に侍もの なり。末代(まつたい)の衆生(しゆじやう)出離(しゆつり)の要道(ようたう)をたつぬる事あ らば。弥陀仏(みたぶつ)を念ぜよとすすむべきよしおほせ をかれ侍(はんへ)る/ndl1-2l
text/ichigonhodan/ndl_ichigon001.txt · 最終更新: 2023/08/07 11:14 by Satoshi Nakagawa