text:chomonju:s_chomonju705
古今著聞集 魚虫禽獣第三十
705 後久我太政大臣家におもながといふ鵯のありけるを・・・
校訂本文
後久我太政大臣1)家に、「おもなが」といふ鵯(ひよどり)のありけるを、家隆卿2)所望せられけるを、大臣(おとど)しばしつきみ給ひければ、詠みてつかはしける、
いかにせむ山鳥のおも長き夜を老いの寝覚めに恋ひつつぞ泣く
すなはち、使につけて送られけり。さだめて返しありけむかし。尋ねて記すべし。
翻刻
後久我太政大臣家におもなかといふ鵯のありけるを 家隆卿所望せられけるをおととしはしつきみたま ひけれはよみてつかはしける いかにせむ山鳥のおも長夜を老のねさめに恋つつそなく すなはち使につけてをくられけりさためてかへしあり けむかしたつねてしるすへし/s549l
text/chomonju/s_chomonju705.txt · 最終更新: 2021/01/24 13:16 by Satoshi Nakagawa