text:chomonju:s_chomonju610
古今著聞集 変化第二十七
610 仁治三年大嘗会に人多く参り集ひけるに外記の庁のうち東の方なる・・・
校訂本文
仁治三年、大嘗会に人多く参り集ひけるに、外記(げき)の庁のうち、東の方なるもちの木の梢に、髪おつかみなる法師一人、臥したりけり。人怪しみ騒ぎて、とかく取り下ろしたれば、死にたるがごとくなりけり。春日町辺なるものにてぞ侍りける。
天狗のしわざにや。不思議なりしことなり。
翻刻
仁治三年大嘗会に人おほくまいりつとひけるに 外記庁のうち東のかたなるもちの木の梢に髪 おつかみなる法師一人ふしたりけり人あやしみ さはきてとかくとりおろしたれは死たるかことく なりけり春日町へんなるものにてそ侍ける/s485l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/485
天狗のしはさにやふしきなりしことなり/s486r
text/chomonju/s_chomonju610.txt · 最終更新: 2020/11/22 16:42 by Satoshi Nakagawa