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text:chomonju:s_chomonju223

古今著聞集 和歌第六

223 法深房そのかみ父朝臣と不快のころ・・・

校訂本文

法深房1)、そのかみ父朝臣2)と不快のころ、譲り得たりける笛(大穴)を取り返されける時、憂へ3)歎きて詠み侍りける。

  思ひ出のふしもなぎさにより竹のうきね絶えせぬ世をいとふかな

やがて、そのころ出家を遂げてけり。憂きは嬉しき善知識となりにけり。

翻刻

法深房そのかみ父朝臣と不快の比譲得たりける笛(大/穴)を取
返されける時これへなけきてよみ侍ける/s155l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/155

 思出のふしもなきさにより竹のうきねたえせぬ世をいとふ哉
やかて其比出家をとけてけりうきはうれしき善知識と成にけり/s156r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/156

1)
藤原孝時
2)
藤原孝道
3)
「憂へ」は底本「これへ」。諸本により訂正。
text/chomonju/s_chomonju223.txt · 最終更新: 2020/03/20 12:30 by Satoshi Nakagawa