text:chomonju:s_chomonju004
古今著聞集 神祇第一
4 三井寺の鎮守新羅明神は沙竭羅竜王の子なり・・・
校訂本文
三井寺の鎮守、新羅明神は、沙竭羅竜王の子なり。智証大師1)渡唐の時、大師の仏法を守らんと誓ひ給ひて、形を現してかの寺に跡を垂れ給へるなり。
円満院僧正明尊、初めて祭礼を行はれける時、明神喜ばせ給ひて、一首の和歌を託宣し給ひける、
唐船(からふね)に法守りにと来しかひはありけるものをここの泊(とまり)に
翻刻
けり三井寺の鎮守新羅明神は沙竭羅竜王の子也/s11r
智証大師渡唐の時大師の仏法をまもらんと誓 給て形をあらはして彼寺にあとをたれ給へるなり 円満院僧正明尊はしめて祭礼を行はれける時明 神よろこはせ給て一首の和謌を託宣し給ける から船に法まもりにとこしかひは有ける物をここのとまりに/s11l
1)
円珍
text/chomonju/s_chomonju004.txt · 最終更新: 2020/01/06 21:19 by Satoshi Nakagawa