rhizome:日葡辞書
日葡辞書
にっぽじしょ
解説
日本語ポルトガル語辞書。原題は「VOCABVLARIO DA LINGO A DE IAPAM com a declaração em Portugues」(ポルトガル語の説明を付けた日本語辞書)
1603年に長崎の日本イエズス会によって刊行され、1604年に補遺の部が刊行された。宣教師の日本語学習用に作られた辞書で、すべてローマ字で書かれている。
天草本、ロドリゲス『日本大文典』と並び、当時の音韻、語彙などを探る上での国語学上の一級資料となっている。
見出し語は本編25697語、補遺が6831語あるが、本編と補遺で重複しているものもあるため、総数は32293語。各語彙には出典注記がされているものがあり、注記の多い順に太平記、平家物語、舞の本、物語、天草版金句集、発心集、伊曽保物語、サントスの御作業、方丈記が見られるが、必ずしも正確ではなく、注記のないものでも出典が認められるものもある。
日葡辞書の訳本にドミニコ会によるスペイン語訳の日西辞書、レオン・パジェスによるフランス語訳の日仏辞書がある。
伝本
- オックスフォード大学ボードレイ文庫蔵本
- 岩波書店(1960)・勉誠社(1973)影印
- ポルトガル、エヴォラ公共図書館蔵本
- パリ国立大学図書館蔵本
- 勉誠社(1976)影印
- マニラ、ドミニコ会サント・ドミンゴ修道院文庫蔵本
参考文献
- 土井忠生 森田武 長南実編訳『邦訳日葡辞書』(岩波書店・1980/5/29)
- 森田武編『邦訳日葡辞書索引』(岩波書店・1989/10/25)
rhizome/日葡辞書.txt · 最終更新: 2014/03/19 00:37 by Satoshi Nakagawa