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世継物語

第17話 一条院位につかせ給ふ年の賀茂の臨時の祭の帰りあそび・・・

校訂本文

今は昔、一条院、位につかせ給ふ年の、賀茂の臨時の祭の帰りあそび、御前にてあるに、あるべき殿上人・上達部、残りなく侍(さぶ)らひ給ふ。

源の兼澄、舞人なるに、土器(かはらけ)取りたるに、摂政殿御覧じて、「祝ひの心に和歌一つ、つかうまつれ」と仰らるるままに、「宵の間に」とうちあけたれば、殿、いみじう興ぜさせ給ひて、遅しと異(こと)殿ばらも申し給ふに、「君をしはのりをきつれば」と申したり。

殿、いみじうめでさせ給ひて、「遅し遅し」と仰せらるれば、また、「まだ夜ふかくも思ゆるかな」と申しければ、ほめさせ給ひて、御衣(おんぞ)ぬぎてかづけさせけり。

翻刻

今は昔一条院位につかせ給年の賀茂の臨時の祭の
帰りあそひ御前にて有に有るへき殿上人上達部残なく
侍ひ給源のかねすみ舞人なるにかはらけとりたるに摂政殿
御覧していはひの心にわか一つかうまつれと仰らるるまま
によひのまにとうちあけたれは殿いみしうけうせさせ
給てをそしとこと殿はらも申給に君をしはのりをき
つれはと申たり殿いみしうめてさせ給ひてをそしをそしと/11ウ
仰らるれは又また夜ふかくもおほゆるかなと申けれは
ほめさせ給て御そぬきてかつけさせけり/12オ
text/yotsugi/yotsugi017.txt · 最終更新: 2014/09/25 02:19 by Satoshi Nakagawa
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