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世継物語

第13話 近江介平の中興がむすめをいたくかしづきけるが・・・

校訂本文

 今は昔、近江介平のなりき1)が、むすめをいたくかしづきけるが、親亡くなりて、とかくはふれて、人の国にはかなき所に住みけるが、親、「あはれ」と思ひて、兼盛が言ひ遣りける、

  遠近(をちこち)の人目まれなる山里に家ゐせんとは思ひきや君

と、言ひ遣りたりければ、返しもせで、よよと泣きける。女もいとりやうある人になんありける。

翻刻

今は昔近江介平のなりきかむすめをいたくかしづきけるか
おやなく成てとかくはふれて人の国にはかなき所に住け
るか親あはれと思ひて兼盛かいひやりける
  遠近の人めまれなる山里に家ゐせんとは思ひきや君
といひやりたりけれはかへしもせてよよとなきける女も
いとりやうある人になん有ける/10ウ
1)
大和物語「中興(なかき)」
text/yotsugi/yotsugi013.txt · 最終更新: 2014/09/25 02:17 by Satoshi Nakagawa
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