text:tosanikki:se_tosa01
12月21日
校訂本文
男もすなる日記といふものを、女もしてみんとてするなり。
それの年の十二月(しはす)の二十日(はつか)あまり一日(ひとひ)の日の戌(いぬ)の時に門出す。そのよし、いささかにものに書き付く。
ある人、県(あがた)の四年(よとせ)五年(いつとせ)果てて、例のことどもみなし終へて、解由(げゆ)などとりて、住む館(たち)より出でて船に乗るべき所へ渡る。かれこれ、知る知らぬ、送りす。年ごろよくくらべつる人々なむ、別れがたく思ひて、日しきりに、とかくしつつののしるうちに夜更けぬ。
翻刻
をとこも(毛)す(数)なる日記といふものを をむなもしてみんとてするなり (延長八年任土佐守承平四年歟) それのとしのしはすのはつかあま りひとひのひのいぬのときにかとて すそのよしいささかにものにかきつく あるひとあかたのよとせいつとせはてて れいのことともみなしをへてけゆな ととりてすむたちよりいててふねに/kd-6l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100421552/6?ln=ja
のるへきところへわたるかれこれ しるしらぬおくりすとしころよく くらへつるひとひとなむわかれかたく おもひて日しきりにとかくしつつ ののしるうちによふけぬ/kd-7r
text/tosanikki/se_tosa01.txt · 最終更新: 2023/08/26 12:11 by Satoshi Nakagawa