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text:sesuisho:n_sesuisho8-154

醒睡笑 巻8 祝ひすました

1 抑四十六代孝謙天皇の御宇天平勝宝元年己丑の春始めて奥州より黄金を献ず・・・

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抑(そもそも)、四十六代孝謙天皇の御宇、天平勝宝元年己丑の春、始めて奥州より黄金を献ず。「重宝参りたり」とて、大伴家持1)に歌召されければ、

  皇(すべらぎ)の御代栄えんと東(あづま)なるみちのく山に黄金(こがね)花咲く

と祝ひすまして、これより元和九年まで、八百六十五歳なり。和朝の山に2)黄金涌くこと、いよいよ増されり。

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    祝済多
一 抑四十六代孝謙天皇の御宇天平勝宝元年
  己丑の春始て奥州より黄金を献す重宝
  参りたりとて大友家持に哥めされけれは
   皇の御代さかへんとあつまなる
    みちのく山にこかね花さく
  と祝ひすまして是より元和九年まて八
  百六十五歳なり和朝の山そ黄金涌事
  弥増れり/n8-60l
1)
底本表記「大友家持」
2)
「山に」は底本「山そ」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho8-154.txt · 最終更新: 2023/03/22 19:03 by Satoshi Nakagawa