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text:sesuisho:n_sesuisho3-011

醒睡笑 巻3 文字知り顔

11 坊主と弟子と言ひ談じてつねづね愚人をあひしらひし・・・

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坊主と弟子と言ひ談じて、つねづね愚人(ぐにん)をあひしらひし、その風(ふう)をあてことにし、ちくと文字のある客の時、弟子出でてはばからず、「水辺(すゐへん)に酉(とり)あり。山に山を重ねんや」とは、「酒を出ださうか」と言うた。師匠が返答に、「丿乀夕夕(へつぼつせきせき)」。「人が多いに無用」と言ふ。

賓客(ひんかく)、頓(とん)に察し、「玄田牛一(げんでんぎういち)とは畜生(ちくしやう)めじや」とて、座敷を立ちたる仕合はせなり。

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一 坊主と弟子といひ談してつねつね愚(ぐ)人を
  あいしらひしその風をあてことにしちくと
  文字のある客の時弟子出てははからす
  水辺(すいへん)に酉(とり)あり山に山を重ねんやとは酒を
  いださうかといふた師匠か返答に丿乀夕夕(へつほつせきせき)
  人かおほいに無用といふ賓客(ひんかく)頓(とん)に察(さつ)し/n3-7l
  玄田牛一(げんでんぎういち)とは畜生(ちくしやう)めじやとて座敷をたち
  たる仕合なり/n3-8r
text/sesuisho/n_sesuisho3-011.txt · 最終更新: 2021/09/15 22:37 by Satoshi Nakagawa