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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka13-03

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蒙求和歌

第13第3話(183) 阮宣杖頭

校訂本文

阮宣杖頭

晋の阮宣1)、字は宣子といへり。つねに百(もも)の銭(せに)を杖の先にかけて、徒歩(かち)より酒店のほとりに至りて、一人酔(ゑ)ひ暮らして、帰りけり。

時の人、おほきに貴びらるる身なれども、世にも仕へざりけり。

心を立てて時めく人のもとへも行かざりしかども、酒の方(かた)になりぬれば、かくなむありけり。

  うづゑつき帰る家路に迷はぬはももの心ぞしるべなりける

翻刻

阮(くえむ)宣杖(ちやう)頭(とう)  晋の阮宣字は宣子といへりつねに百(ももの)/銭(せにを)つゑのさきにかけてかちより酒店(しゆてんの/さかや)
ほとりにいたりてひとりゑいくらしてかへりけり時の人をほきにた
ふとひらるるみなれともよにもつかへさりけり心をたててときめく人のも
とへもゆかさりしかとも酒のかたになりぬれはかくなむありけり
  うつへつきかへるいへちにまよはぬはもものこころそしるへなりける/d2-32l
1)
阮修が正しい。
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka13-03.1520134777.txt.gz · 最終更新: 2018/03/04 12:39 by Satoshi Nakagawa