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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka11-15

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蒙求和歌

第11第15話(165) 張華台坼

校訂本文

張華台坼

晋の張華、字(あざな)は茂先、范陽人なり。鷦鷯の賦を作りし人なり。後に司空たり。

張華が少子韙1)、仰(あふ)ぎて占ふに、中台の星、坼(さ)けたり2)。張華をすすめて、「司(つかさ)をのがれよ」といさめけり。

張華がいはく、「天道は玄遠なり。すべからく徳を修して、こたふべし」と言ひて、驚かずして過ぎけり。

つひに客に害にあひて、はかなくなりにけり。

  影まがふ星は雲居(くもゐ)に名をとめて波に消ゆるは夜半(よは)のかがり火

翻刻

張華台(たい)坼(たく)  晋張華あさなは茂先范陽人也鷦鷯/の賦をつくりし人也後に司空たり
張華か少子(し)韙(ゐ)あふきてうらなふに中台の星圻(さけ)たり張
華をすすめてつかさをのかれよといさめけり張華か云く天道は
玄遠なりすへからく徳を修してこたふへしと云てをとろかす
してすきけりつひに害にあひてはかなくなりにけり
      かけまかうほしはくもゐになをとめて
      なみにきゆるはよはのかかりひ/d2-24l
1)
張韙
2)
「坼」は底本「圻」。文意により訂正
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka11-15.1519043876.txt.gz · 最終更新: 2018/02/19 21:37 by Satoshi Nakagawa