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蒙求和歌
第8第4話(114) 厳陵去釣
校訂本文
厳陵去釣
後漢の厳光、字は子陵なり。これゆゑに厳陵といふ。
昔、光武1)に勤め深かりき。光武、位に即きて後、厳陵を忘れ給ひにけり。厳陵、世を恨みて、孤亭山にこもり居て、釣りを垂れて過ぎけり。光武、三度(みたび)召せども参らず。
時に天変あり。司天、奏していはく、「旧臣ありて、君を恨み奉ることあるべし」と申しけり。帝、「厳陵なり」とて、なほたびたび召せども、つひに参らず。
厳陵が釣りせし所を厳陵瀬とはいへり。
さりともと頼みしせぜを漕ぎ過ぎて恨みに沈むあまの釣舟
翻刻
厳陵去鈎(こう) 後漢の厳光字子陵也是故に厳陵と/云昔光武につとめふかかりき光武位に つきて後厳陵をわすれたまひにけり厳陵よをうらみて孤 亭山にこもりゐてつりをたれてすきけり光武みたひめせともま ひらす時に天変あり司天奏して云く旧臣ありて君を うらみたてまつることあるへしと申けり帝厳陵也とて なをたひたひめせともつひにまひらす厳陵かつりせし所を厳 陵瀬とはいへり/d2-4l
さりともとたのみしせせをこきすきて うらみにしつむあまのつりふね/d2-5r
1)
光武帝
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka08-04.1515830674.txt.gz · 最終更新: 2018/01/13 17:04 by Satoshi Nakagawa