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蒙求和歌

第3第7話(42) 息躬歴詆 苅萱

校訂本文

息躬歴詆 苅萱

漢書にいはく、「息躬は、容姿うるはしく、心、人に恥ぢられたりき。世に、佞臣は進み、賢人は退くことを、世の常の言の葉にはかたぶきけり。

丞相王嘉をば、『すくよかなるに似たれども、蓄宿たり。用ゐる1)べきにあらず』と言ひ、御史大夫賈遶2)をば、『弱々しくして、その職に耐へず』と言ひ、『左将軍公孫禄・司隷鮑宣は、みな、外(ほか)に素直なる聞こえあれども、内には愚かなる心ありて、政(まつりごと)の道を悟らず3)

時の諸官、いづれも頑(かたく)なにして、数ふるに足らず。にはかに、強(こは)き兵(つはもの)、世を乱らむとせむに、誰(たれ)かしづむる謀(はかりごと)をめくらさむ』とぞ、世をそしりけり」。

  夕風の吹くもみたらばいかがせん籬(まがき)あたなる庭の苅萱(かるかや)4)

翻刻

息躬歴詆 苅萱
漢書ニ云息躬ハ容姿ウルハシク心人ニハチラレタリキヨニ
佞臣ハススミ賢人ハシリソクコトヲヨノツネノコトノハニハカタフ
キケリ丞相王嘉ヲハスクヨカナルニニタレトモ蓄(コトヒ)宿(ノヒタリ)タリモ
ヰルヘキニアラストイヒ御史大夫賈(カ)遶(イヰ)ヲハヨハヨハシク
シテソノ職ニタヘストイヒ左将軍公孫禄司隷鮑(ハウ)宣(セム)ハ/d1-24r
ミノ(ナ歟)ホカニスナヲナルキコヘアレトモ時ノ諸官イツレモカタ
クナニシテカソフルニタラスニハカニコハキツハモノヨヲミタラムト
セムニタレカシツムルハカリコトヲメクラサムトソヨヲソシリ
ケリ/d1-24l
1)
「用ゐる」は、底本「もゐる」。諸本により訂正。
2)
賈延
3)
底本「内には愚かなる心有て」から「さとらず」までなし。書陵部本(桂宮本)により補入。
4)
底本は和歌を欠く。書陵部本(桂宮本)により補う。書陵部本は「夕風の吹きもみたらばいかがせん籬あれたる庭の苅萱」
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka03-07.txt · 最終更新: 2017/10/29 13:53 by Satoshi Nakagawa
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