ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka02-14

文書の過去の版を表示しています。


蒙求和歌

第2第14話(34) 西施捧心 夕顔

校訂本文

西施捧心 夕顔

西施は見目(みめ)も形も、たぐひなかりし女なり。病(やまひ)に臥して、胸を押(おさ)へて、目をひそめければ、いよいよ心苦しく、いたはしきさまなりけり。

その里の醜き女ども、これをうらやみて、そら胸を病みて、目をひそめけり。西施が顔色こそ、いかなるにつけても、いみじく、あてなりけれ。醜き女ども、目をひそめける病姿(やまひすがた)、いとど恐しくぞ見えける。

  夕顔のたそがれ時のそら目にもたぐひにすべき花のなきかな

翻刻

西施捧心 夕顔
西施はみめもかたちもたくひなかりし女なりやまひにふしてむねを
をさへてめをひそめけれはいよいよこころくるしくいたはしきさま
なりけり其里のみにくき女ともこれをうらやみてそらむねを
やみてめをひそめけり西施か顔色こそいかなるにつけても/d1-19l
いみしくあてなりけれみにくき女ともめをひそめけるやまい
すかたいととをそろしくそみへける
  ゆふかほのたそかれときのそらめにもたくひにすへきはなのなきかな/d1-20r
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka02-14.1508751485.txt.gz · 最終更新: 2017/10/23 18:38 by Satoshi Nakagawa