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古本説話集
第33話 貧女、盂蘭盆の歌の事
貧女盂蘭盆哥事
貧女、盂蘭盆の歌の事
校訂本文
今は昔、七月十五日、いみじう貧しかりける女の、親のためのことをえせで、薄色の衣(きぬ)の面を解きて、缶(ほとぎ)に入れて、蓮の葉を上に覆いて、愛宕(おたぎ)にもて行きて、拝みて去りけるを、人の寄りて見ければ、蓮の葉に書きつけける、
たてまつる蓮(はちす)の上のつゆばかりこころざしをもみよの仏に
翻刻
いまはむかし七月十五日いみしうまつし かりける女のをやのためのことをえせてうす いろのきぬのおもてをときてほときにいれて はすのはをうへにををいておたきにもてゆき ておかみてさりけるをひとのよりてみけ れははすのはにかきつけける たてまつるはちすのうへのつゆはかり/b103 e52
こころさしをもみよのほとけに/b104 e53
text/kohon/kohon033.1410799731.txt.gz · 最終更新: 2014/09/16 01:48 by Satoshi Nakagawa