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今昔物語集

巻9第41話 隋大業代獄吏依悪行子身有疵死語 第卌一

今昔、震旦に、隋の大業の代に、京兆郡の獄吏有けり。其の姓名を知らず。

此の人、諸の囚(めしうど)を酷暴す。然れば、囚の者、困み苦む事限無し。而るに、此の獄吏、此の事を戯れ楽ぶ事とす。

其の後、獄吏、一の子を生ましめたり。其の子を見れば、頤の下、肩に肉有り。枷(かし)の如し。亦、頭頸の間、惣て無し。年を経と云へども、其の子、遂に歩み行く事無くして、死けり。

「此れ偏に、父獄吏が囚者を哀ぶ事無くして、心の如く呵嘖したる年来の罪を、今感ぜる也」となむ、人、云ける。

然れば、其の器に有りと云ども、慈悲の心有て、強く責をば加ふべからずとなむ語り伝へたるとや。

text/k_konjaku/k_konjaku9-41.txt · 最終更新: 2017/03/04 00:13 by Satoshi Nakagawa
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