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今昔物語集

巻6第24話 震旦夏侯均造薬師像得活語 第廿四

今昔、震旦の唐の代、勇州1)に夏の侯均と云ふ人有けり。

顕慶二年と云ふ年、身に重病を受て、辛苦悩乱して、既に四十余日を経たり。遂に悶絶して死ぬ。

而るに、冥途に至て、罪を勘へて、牛の身に成らむとす。其の時に、侯均、訴て云く、「我れ、昔、師の所にして戒を受けき。亦、薬師経を受持しき。亦、薬師の形像を造り奉れり。我れ、何ぞ過無くして、牛の身と成て、苦を受けむ」と。

侯均、此の如く陳ぶる間に、二十四日を経たり。其の後、此の事を勘ふるに、侯均が陳ぶる所、皆実にして、虚からず。

然れば、罪を免して還されぬ。侯均、二十四日を経て活(いきかへり)て、此の事を語りけりとなむ、語り伝へたるとや。

1)
底本頭注「勇ハ冀ノ誤カ」
text/k_konjaku/k_konjaku6-24.txt · 最終更新: 2016/10/26 01:42 by Satoshi Nakagawa
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