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今昔物語集

巻2第22話 常具天蓋人語 第(廿二)

今昔、天竺に一人の人有り。其人の上に、常に天蓋有り。諸の人、此れを見て、奇異の思を成して、而も仏1)に問ひ奉て云く、「此の人、何なる業有てか、常に其の上に天蓋有るぞ」と。

仏、説て宣はく、「此の人は、前生に貧しき家に生れて、下賤の人と有りき。世を過し命を助けむが為に、路辺に住して有りし時、雨降しに、其の前より、人、雨に湿(ぬれ)て過ぎ行く。其の人を留めて、旧く破たる笠を与たりき。其れに依て、其の人、濡れずして過ぬ。其の功徳に依て、今生に常に天蓋を具せる果報を得たる也」と説給けり。

此れを思ふに、善き笠を以て、僧に供養せらむ功徳、思遣るべしとなむ、語り伝へたるとや。

1)
釈迦
text/k_konjaku/k_konjaku2-22.txt · 最終更新: 2016/06/01 14:03 by Satoshi Nakagawa
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