text:jikkinsho:s_jikkinsho10-45
文書の過去の版を表示しています。
十訓抄 第十 才芸を庶幾すべき事
10の45 宇治入道殿に候ひけるうれしさこそといふはした者を顕輔卿・・・
校訂本文
宇治入道殿に候ひける、「うれしさこそ」といふはした者を、顕輔卿1)、懸想しけるに、つれなかりければ、詠みてやりける、
われといへばつらくもあるかなうれしさは人にしたがふ名にこそありけれ
入道殿、聞かせ給ひて、「秀歌には返事なし。とく行け」とて遣はしける。
翻刻
四十八宇治入道殿にさふらひける、うれしさこそと云はしたものを、 顕輔卿けさうしけるに、つれなかりけれは、よみて遣ける、 われといへはつらくもあるかなうれしさは、人にしたかふ名にこそ有けれ 入道殿きかせ給て、秀哥には返事なし、とくゆけとて 遣ける、/k83
1)
藤原顕輔
text/jikkinsho/s_jikkinsho10-45.1459057599.txt.gz · 最終更新: 2016/03/27 14:46 by Satoshi Nakagawa