ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:ise:sag_ise068

伊勢物語

第68段 昔男和泉の国へ行きけり・・・

校訂本文

<<PREV 『伊勢物語』TOP NEXT>>

昔、男、和泉の国1)へ行(い)きけり。住吉の郡(こほり)、住吉の里、住吉の浜を行くに、いとおもしろければ、おりゐつつ行く。ある人、「住吉の浜と詠め」と言ふ。

  雁鳴きて菊の花咲くあきはあれど春のうみ辺にすみよしの浜

と詠めりければ、みな人々詠まずなりにけり。

<<PREV 『伊勢物語』TOP NEXT>>

挿絵

第68段

翻刻

むかしおとこいつみのくにへいきけり
住よしのこほり住吉のさとすみよし
のはまをゆくにいとおもしろけれはおり
ゐつつゆくある人すみよしのはまとよ
めといふ
  かりなきて菊のはなさく秋はあれと
  春のうみ辺にすみよしのはま
とよめりけれはみなひとひとよますなり
にけり/s77l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/77?ln=ja

【絵】/s78r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/78?ln=ja

1)
住吉の郡は正しくは摂津国。
text/ise/sag_ise068.txt · 最終更新: 2024/01/20 11:28 by Satoshi Nakagawa