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text:ise:sag_ise042

伊勢物語

第42段 昔男色好みと知る知る女をあひ言へりけり・・・

校訂本文

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昔、男、色好みと知る知る、女をあひ言へりけり。されど憎くはたあらざりけり。

しばしは行(い)きけれど、なほいとうしろめたく、さりとて、行(い)かではたえあるまじかりけり。なほはたえあらざりける仲1)なりければ、二日三日(ふつかみか)ばかり障ることありて、え行(い)かで、かくなむ、

  出でて来し跡だにいまだ変はらじを誰(た)が通ひ路と今はなるらん

もの疑はしさに詠めるなりけり。

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昔おとこいろこのみとしるしる女を
あひいへりけりされとにくくはたあらざ
りけりしはしはいきけれとなをいとう
しろめたくさりとていかてはたえあるま
しかりけり猶はたえあらさりける中
なりけれはふつか三日はかりさはること
ありてえいかてかくなむ
  いててこしあとたにいまたかはらしを
  たかかよひちといまはなるらん/s51l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/51?ln=ja

ものうたかはしさによめるなりけり/s52r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/52?ln=ja

1)
底本表記「中」。
text/ise/sag_ise042.txt · 最終更新: 2024/01/04 16:37 by Satoshi Nakagawa