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今物語

第5話 近き御世に五節のころゆかりにふれて誰とかやの御局へ・・・

校訂本文

近き御世に、五節のころ、ゆかりにふれて、誰とかやの御局へ、ある女のやむごとなき、忍びて参りたりけることありけるを、ちと聞こしめして、「いかで御覧ぜむ」と思しけるままに、にはかに押し入らせ給ひけり。

とりあへず灯火を人の消ち1)たりければ、御懐(ふところ)より櫛(くし)をいくらも取り出でて、火櫃(ひびつ)の火にうち入れ給ひたりければ、奥まで燃えて、よくよく御覧じけり。

御心の風情、興(けう)ありて、いとやさしかりけり。

翻刻

ちかき御世に五節のころゆかりにふれてたれとかや
の御つほねへある女のやむ事なきしのひてまいりたりける
ことありけるをちときこしめしていかて御覧せむとおほ
しけるままににはかにをしいらせたまひけりとりあへす
ともし火を人のたちたりけれは御ふところよりくしを
いくらもとりいてて火ひつの火にうちいれ給ひたり
けれはおくまてもえてよくよく御覧しけり御心のふせ
いけうありていとやさしかりけり/s7r
1)
「消ち」は、底本「たち」。諸本により訂正
text/ima/s_ima005.txt · 最終更新: 2014/12/13 19:14 by Satoshi Nakagawa
CC Attribution-Share Alike 4.0 International
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