ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:heichu:heichu06

平中物語

第6段 またこの男逍遥しにてなま田舎へいにけるに・・・

校訂本文

また、この男、逍遥しにて、なま田舎へいにけるに、はるかに鶯の鳴きければ、「いづかたぞ」など、供なる人に、

  鶯の声のはつかに聞こゆるはいづれの山に鳴く山彦ぞ

とぞ、口遊びに言ひける。

翻刻

又この男せうようしにてなまゐ中へ
いにけるにはるかにうくひすのなき
けれはいつかたそなとともなる人に/11ウ
  うくひすのこゑのはつかにきこゆる
  はいつれの山になくやまひこそ
とそくちあそひにいひけるさてこの/12オ
text/heichu/heichu06.txt · 最終更新: 2016/12/10 14:38 by Satoshi Nakagawa