text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka14-26
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蒙求和歌
第14第26話(226) 南風擲孕
校訂本文
南風擲孕
晋の恵帝の后(きさき)南風1)、昔、手を下(おろ)して、多くの人を殺してけり。
あやまつ所なけれども、人のことにつきて、みづから矛(ほこ)を取りて、孕(はら)める女を刺し殺してけり。あるひはあはれみ歎く人もあり、あるは驚き憎む人もありけり。
后、形、短かく、色、青黒にして、眉のしりに大きなる傷あり。恵帝ともに酔(ゑ)ゑるがごとくにして、世治まる時なかりけり。
恵帝、隠れ給ひてのち、趙王倫2)、うち殺してけり。
あらからしわかきの風の吹きしより千草(ちぐさ)の花もつゆになくなり((歌意不明。『和訳蒙求』は、「あらかりしのわきの風の吹きしより千草の花もつゆになりけり」と推測している。))
翻刻
南風擲(テキ)孕(ヨウ) 晋恵帝ノキサキ南風ムカシ/テヲヲロシテヲホクノ人ヲコロシテケリ アヤマツトコロナケレトモ人ノコトニツキテミツカラホコヲトリテハ ラメル女ヲサシコロシテケリアルヒハアハレミナケク人モアリ アルハヲトロキニクム人モアリケリキサキカタチミシカク イロアヲクロニシテマユノシリニヲホキナルキスアリ恵帝 トモニヱヱルカコトクニシテヨヲサマルトキナカリケリ恵 帝カクレタマヒテノチ趙王倫ウチコロシテケリ/d2-47l
アラカラシワカキノ風ノフキシヨリ チクサノハナモツユニナクナリ/d2-48r
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka14-26.1522221399.txt.gz · 最終更新: 2018/03/28 16:16 by Satoshi Nakagawa