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蒙求和歌
第9第4話(124) 華歆忤旨 陳群蹙容
校訂本文
華歆忤旨 陳群蹙容1)
魏受禅、朝臣三公以下みな爵を受くるときに、司徒華歆、字は子魚、顔色忤(たが)ひ、尚書令陳群、字は長文、戚(うれへ)たる容(かたち)にて、爵に進まず。
帝2)、御気色変りて、群臣を召して、「朕、天に応じて禅を受け、人々欣(よろこ)べり。華歆と陳群、ともに欣ばざる事のゆゑ」を問はれけり。
陳群、ひざまづきて、申していはく、「臣、相国とならびて、漢朝につかへて、聖化を欣ぶといへども、ただ義、色に形(あら)はれたり。おそらくは御心にたがふらむこと、のがれかがきよし」を答へ申すに、帝、二人が古き情けを讃めて、あはれみ給ひて、いよいよ重くし給へり。
めづらしき空を見るにも悲しきは昔にかはる春のあけぼの
翻刻
華歆忤旨 陳郡蹙容 魏受禅朝臣三公以下ミナ受爵ヲトキニ司徒華歆(キム)字 子魚顔色忤(タカヒ)尚書令陳郡字長文戚(ウレエタル)容テ爵ニススマス/d2-7l
帝御気色カハリテ群臣ヲメシテ朕応天受禅ヲ人々ヨロコ ヘリ花歆ト陳郡トモニヨロコハサル事ノユエヲトハレケリ陳 郡ヒサマツキテ申テ云ク臣相国トナラヒテ事ヘテ漢朝ニ 雖欣フト聖化独義形ハレタリ於色ヲソラクハ御心ニタカフラム 事ノカレカタキヨシヲコタヘ申ニ帝フタリカフルキナサケヲ ホメテアハレミ給テ弥ヲモクシ給ヘリ メツラシキソラヲミルニモカナシキハ ムカシニカハル春ノアケホノ/d2-8r
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka09-04.txt · 最終更新: 2018/01/21 22:30 by Satoshi Nakagawa