text:chomonju:s_chomonju584
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古今著聞集 怪異第二十六
584 崇徳院御位の時保延六年の秋のころ御夢に白河僧正増智参りたるよし・・・
校訂本文
崇徳院1)御位の時、保延六年の秋のころ、御夢に白河僧正増智2)参りたるよし申しければ、「しばらく候へ」とて、やがて御対面ありけるに、僧正、柿のすり水干を着て、久く見 参に入らざるよしを奏し侍りけり。
御夢覚めさせ給ひて後、御心地例ならずおはしまして、時に朗詠・読経などせさせ給ひけり。ある時は御手水召して、西に向かはせ給ひて、「生身の成仏」など仰せられけり。ある時はまた「故僧正増智なり3)」なども名乗らせ給ひけり。不思議なりけることなり。
さりながら、のちのちには別の御事もなかりけるにや。
翻刻
崇徳院御位のとき保延六年の秋の比御夢に白河 僧正増智まいりたるよし申けれはしはらく候へとてやかて 御対面ありけるに僧正柿のすり水干をきて久く見 参に入さるよしを奏し侍りけり御夢さめさせ給ての ち御心地例ならすおはしまして時に朗詠読経なと せさせ給けり或時は御手水めして西にむかはせ給て 生身の成仏なとおほせられけり或時は又故僧正増智也/s45l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/465
なりなともなのらせ給ひけり不思儀なりける事也さり なからのちのちには別の御事もなかりけるにや/s46r
text/chomonju/s_chomonju584.1604766620.txt.gz · 最終更新: 2020/11/08 01:30 by Satoshi Nakagawa