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text:yotsugi:yotsugi031

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第31話 一条院の御時皇后宮と申したるは帥の内の大殿の御妹・・・

校訂本文

今は昔、一条院の御時、皇后宮と申したるは、帥の内の大殿の御妹、明け暮れ入り居させ給ひて、物をのみ思ひて、失せさせ給ひにき。

失せ給ひて後、几帳の紐に結び付られたりけり。「歌、内にも聞こし召せ」と仰せけるにや、

  よもすがら契しことを忘れずはこひん泪の宮ぞゆかしき

翻刻

今は昔一条院の御時皇后宮と申たるは帥の内の
大とのの御いもうとあけくれいりゐさせ給て物をのみ思
ひてうせさせ給にきうせ給て後木丁のひもに
結ひ付られたりけり哥内にも聞召せとおほせ
けるにや
  よもすから契しことを忘れすはこひん泪の宮そ床しき/17ウ
text/yotsugi/yotsugi031.1407211510.txt.gz · 最終更新: 2014/08/05 13:05 by Satoshi Nakagawa