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蒙求和歌
第6第3話(93) 于公高門
校訂本文
于公高門 東海人也
于公が子を于定国といふ。字(あざな)は曼倩といふ。
家の門の破れたるを、親子もろともに繕(つくろ)ひけり。于公がいはく、「この門を高大して、駟馬高蓋入るほどに建つべし。われ、極の司として、ことを行ふに、陰徳多きかゆゑに、わが子孫、かならす家興すべし」と言へり。さて、おほきに高く建ててけり。
その後、定国に至りて、大臣になる。その子、永1)は御史大夫になりにけり。
かげなびく車を見れはわが門(かど)を心ひろくぞ思ひたちける
翻刻
于公高門 東海人也 于公か子(こを)于定国といふあさなは曼倩といふ家の門の/d1-46l
やふれたるを親子もろともにつくろひけり于公かいはくこの 門を高大して駟馬高蓋いるほとにたつへし我獄のつかさ としてことををこなふに陰徳をほきかゆゑにわか子孫かな らす家をこすへしといへりさてをほきにたかくたててけりそのの ち定国にいたりて大臣になるその子永(ゑいは)御史大夫に也にけり かけなひくくるまをみれはわかかとをこころひろくそをもひたちける/d1-47r
1)
于永
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka06-03.1513397083.txt.gz · 最終更新: 2017/12/16 13:04 by Satoshi Nakagawa