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text:ise:sag_ise111

伊勢物語

第111段 昔男やむごとなき女のもとに亡くなりにけるを弔ふやうにて・・・

校訂本文

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昔、男、やむごとなき女のもとに、亡くなりにけるを弔(とぶら)ふやうにて言ひやりける、

  いにしへはありもやしけん今ぞ知るまだ見ぬ人を恋ふるものとは

返し、

  下紐(したひも)のしるしとするも解けなくに語るがごとは恋ひずぞあるべき

また、返し、

  恋ひしとはさらにも言はじ下紐の解けむを人はそれと知らなん

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翻刻

むかしおとこやむことなき女のもとに
なくなりにけるをとふらふやうにて
いひやりける
  いにしへは有もやしけん今そしる
  またみぬ人をこふるものとは/s117l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/117?ln=ja

返し
  したひものしるしとするもとけなくに
  かたるかことはこひすそあるへき
又返し
  恋しとはさらにもいはししたひもの
  とけむを人はそれとしらなん/s118r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/118?ln=ja

text/ise/sag_ise111.txt · 最終更新: 2024/02/23 11:37 by Satoshi Nakagawa