ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:ise:sag_ise104

伊勢物語

第104段 昔ことなることなくて尼になれる人ありけり・・・

校訂本文

<<PREV 伊勢物語』TOP NEXT>>

昔、ことなることなくて尼になれる人ありけり1)。形をやつしたれど、ものやゆかしかりけむ、賀茂の祭見に出でたりけるを、男、歌詠みてやる。

  世をうみのあまとし人を見るからにめくはせよとも頼まるるかな

これは、斎宮(いつきのみや)2)の、ものみ給ひける車に、かく聞こえたりければ、見さして帰り給ひにけりとなむ。

<<PREV 伊勢物語』TOP NEXT>>

翻刻

むかしことなる事なくてあまになれる/s113l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/113?ln=ja

人有けりかたちをやつしたれと物や
ゆかしかりけむかものまつり見にいてたり
けるをおとこうたよみてやる
  よをうみのあまとし人をみるからに
  めくはせよともたのまるるかな
これは斎宮のものみたまひける車に
かくきこえたりけれは見さしてかへり
たまひにけりとなむ/s114r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/114?ln=ja

1)
102段|参照。
2)
文徳天皇皇女恬子内親王
text/ise/sag_ise104.txt · 最終更新: 2024/02/17 17:55 by Satoshi Nakagawa