text:ise:sag_ise009c
第9段(3) 富士の山を見れば五月のつごもりに雪いと白う降れり・・・
校訂本文
富士の山を見れば、五月(さつき)のつごもりに、雪いと白う降れり。
時知らぬ山は富士の嶺(ね)いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらん
その山は、ここ1)に例へば、比叡(ひえ)の山を二十(はたち)ばかり重ねあげたらんほどして、なりは塩尻(しほじり)のやうになんありける。
挿絵
翻刻
ふしの山をみれはさ月のつこもりに 雪いとしろうふれり ときしらぬ山は富士のねいつとてか かのこまたらに雪のふるらん その山はここにたとへはひえのやまをは たちはかりかさねあけたらんほとしてなり はしほしりのやうになんありける/s20r
【絵】/s20l
1)
京
text/ise/sag_ise009c.txt · 最終更新: 2023/11/25 11:50 by Satoshi Nakagawa